研究会詳細

タイトル
第7回FGセンター研究会(2022年05月23日)
言語
日本語
詳細
「ふつうに暮らせるしあわせをどう守り支えるか~産官学等多様な主体の協働による地域包括ケア『豊明モデル』~」報告
講師 愛知県豊明市市民生活部市民協働課 課長 松本 小牧 氏

今回は、愛知県豊明市役所地域包括ケアシステムを2015年より担当されている松本小牧氏にご登壇いただいた。松本氏は「豊明モデル」といわれる、民間企業や大学など、多様な主体との共同による独自の介護予防・自立支援を牽引されている。

高齢者が望んでいるのは、「当たり前の普通の暮らし」であり、これを行政がいかに支えるかを豊明市の目標とした。事例検討型の多職種合同ケアカンファレンスを毎月開催し、高齢者が抱える生活課題を可視化した。回を重ねるにつれて多職種間で技術移転が行われ、多様な専門性を持つ人材の育成にもつながり、ケアの質が上がってきた実感があるという。

豊明市は、高齢者が自宅での普通の暮らしを守るための取り組みとして、具体的には、市外温泉の送迎サービス、買い物で自分が選んだ商品の無料配達サービスや、オンデマンド型送迎サービス「チョイソコ」を市内で展開している。その副産物として、サポーターの8割以上が60歳以上の方で構成され、他者への貢献のみならず自身の老化予防にもなっている。協力業者の売り上げも右肩上がりでwinwinの関係を築いているとお話された。

質疑応答では、金融機関が高齢者の普通の暮らしを支えるためにどう関われるかが話題になった。高齢者が自分の資産を自分のために使えないことも多々あり、高齢者のお金の根づまりがおきないよう、人生の道先案内人のような代理人の存在が求められていることを改めて出席者一同認識した。

(文責 佐野潤子)